今の会社に入社して以降、ずっと資料作成が苦手だった。
そんな私が、資料作成の苦手意識を克服できた理由を紹介する。
目次
■ 資料作成の苦手意識を克服した理由
資料作成に苦手意識をもっていた若手時代
”本当に君は資料作成が下手だな。本当に大卒なの?”
”君の資料は何が言いたいかわからない。読む気がおきない”
入社以降5年間、上司から何度か言われたこのセリフ。
ずっと自分には資料作りのセンスがないと思っていた。
あの先輩はなぜあんなに上手な資料を作成できるのだろうか。
きっと頭が良くて、センスがあるからだろう。
自分には到底無理だ。
そう思って、ずっと資料作成に苦手意識を持っていた。
苦手意識を克服できた上司の一言
その後、異動により職場環境が大きく変わった。
異動先の部署は、社内の中枢に近い部署で、資料の作成能力が高い猛者たちが集まる場所。
周りで作成される書類どれもが、
一流企業のプレゼン資料のように完結でわかりやすくまとまっていた。
”まずい、ただでさえ資料作成が苦手なのに、周りの人についていけるわけがない”
そう思っていると、早速上司から資料作成の依頼。
作成した資料を恐る恐る上司に見せると
上司 ”〇〇くん資料作成するの苦手でしょ?
私 ”(ギクッ!)す、すいません。”
上司 ”前の部署は資料作る機会が少なかったから上手く作れなくてもてもしょうがない!”
ちょっとパソコン持ってきて。今からモニターに映し出して、一緒に修正しよう!
モニターに私のパソコン画面を投映しながら、上司の指示を受け、資料修正が始まる。
論理構成・文章表現から、細かい体裁の調整まで、マンツーマンで教えてくれた。
私:はぁーなるほど、言葉を短くして端的に文章を書くのか。
この文章は、語順を入れ替えるだけで伝わりやすくなるんだ。
なるほど、文章ではなく図や表をできるだけいれるのか!
単語を短くすることで、文字数が減り図形を拡大でき見やすできるんだ。
すべてが目からウロコだった。
そこでふと気づいた。
もしかして、資料作りが苦手だった理由は、センスが足りないのではなくて、
技術を知らなかっただけなのではないか。
わかりやすい資料を真似し始める
新しい部署では、大量の資料を渡され、目を通すことが多かった。
最初のうちは内容を理解するので必死だったが、
そのうち
”この資料のこの表現はわかりやすいな”
“このデザインいいな”
と思った資料を自分のファイルに綴るようになった。
そう、自分の資料に応用する(パクる)ために。
・なるほど、文字のフォントはこれが見やすい。
・強調する場所は太字や色を変えて強調する。文字色はこれで統一だ。
・ここは文章ではなく表を使うと見やすくなる。
・見出しを縦書きにすることで、縦幅を稼ぐことができる。
・[]、【】、《》を使い分けるだけで、より見やすくなるのか。
このようなことを繰り返すと
自然に、自分なり資料の”型”(パターン)がどんどん増えていくのだ。
“型”が増えれば、あとは機械的に当てはめていくだけなので、
自然と資料作りのスピードが上がっていく。
強調する文字はこことここで、さっさと赤色太字にしよう
メリット・デメリットの比較は、さっと表にして◯、✕を評価をするだけだ
補足は[]や※を使って、文章の後ろにつけておこう など
■ 元の職場に戻ったときには資料作成が得意に
数年後、異動で再び元の職場に戻った。
そう、”大卒なのに資料作りのが下手”と怒られていたをあの職場だ。
そこで気付く。周りの人が作る資料の改善点が。
”文字が多くて読みづらいので、せめてこの部分を表にすればわかりやすくなるな。”
”この表現が回りくどいので、こっちの表現に直せばいいな”
いつの間にか資料作成することに抵抗がなくなっていた。
上司からも私の資料への修正指示も激減していた。
(むしろほとんどの上司よりも資料作成能力を上まわっているとすら感じた。)
なにせ、修正のアイデアがどんどん湧いてきて、資料作成が楽しくなったのである。
改めて気づく。資料作りはセンスでない。技術なのだ。
自分なりの資料作りの”型”を増やしていくことが重要だったのだと。
■ 資料作成が得意になった理由
その① わかりやすく記載する”型”(パターン)を習得した
昔TVで聞いた話だが、ある有名新聞記者は
新聞記事の内容ををひたすら書き写すことで、記事を書く能力を培ったと言っていた。
その話を聞いたときは、
”へーそういうものなのか”
と思っていたが、
その人自身も、新聞記事を書き写すことで、記事の”型”が身についていたのだろう。
私自身も、資料作りの”型”がどんどん増えていき、
わかりやすい資料が作れるようになっていった。
その② 本を読み、がわかりやすい理由を理解した
苦手意識が薄れるにつれ、資料作成が上手くなるように本を買って読むようになった。
上司がマンツーマンのなかで教えてくれたノウハウを言語してくれている本に出会った。
ノンデザイナーズ・デザインブック Robin Williams (著)
色使いの方法、文字の大きさのルールなど、デザインの観点に特化した本。
資料作りが上手な人が無意識に考えているルールを言語化してくれていた。
日本語の作文技術 本多勝一(著)
わかりやすい文章に特化した本。こちらも、文章の作成をする中で、どう修正すれば伝わりやすい文章になるか、その法則を言語化してくれている本。
修飾語の配置の方法、句読点の有効な使い方、抽象から具体への語順の法則など
目からウロコの内容だった。
その③ マンツーマンで教えてくれた上司の存在
なかでも私にマンツーマンで教えてくれた上司の存在は大きい。
今まで、わかりやすい資料の作成に向け、するためのword,excel,パワポの使い方を
最短で学ぶことができた。
以前の私は、word,excel,パワポなどの操作方法は人並みにできるし、
わからないことがあれば、検索して調べることができると考えていた。
しかし、マンツーマンで教えてくれた内容は、
資料をわかりやすくするための最短距離の操作方法であり、
今まで私が気にかけていなかった(そもそも調べようとも思わなかった)操作
ばかりだった。
その上司に、どうやって資料の作成方法を学んだのか尋ねると、
上司:俺も先輩からマンツーマンで色々教えてもらったよ。
とのこと。
わかりやすい資料の作成方法は、わかりやすい資料を作っている人から、
マンツーマンで教えてもらうことが最短距離なのかもしれない。
まとめ
資料作成がずっと苦手だった私が資料作成を得意になったきっかけ。
それは、資料作成はセンスではなく”技術”(テクニック)だと気づいたこと。
わかりやすい資料を作るには、他人が作ったわかりやすい資料を徹底的にパクリ、
自分なりの”型”(パターン)を増やしていくことだ。
そして可能であれば、身近にいる資料作りが得意な人にマンツーマンで教えてもらうことが資料作成能力の向上への近道なのだ。